2025年4月

  • 《お仕事アーカイブ #9》J-WAVEタイムテーブル

    「お仕事アーカイブ」です。過去の仕事のなかから、今また見ていただきたいものをピックアップしてご紹介しています

    今回は小冊子のJ-WAVEのタイムテーブル。毎月、違うイラストレーターが「東京」の風景を描くことになっていました。贅沢ですね。私はすぐに床屋を描こう!と思いました。床屋が好きで、知らず知らず写真も撮っていたので。

    谷中の床屋と、うちの近所の床屋、両方の写真を見て組み合わせて描いています。入り口のあたりが谷中、建物全体はうちの近所、です。

    床屋が好きという人はけっこう多いんじゃないでしょうか。なんででしょうね、全体にちょっとレトロな雰囲気があるから?タイルや床の模様、椅子や小物も床屋ならではのものだし、そういう意匠が楽しいんですよね。

    ハワイのチャイナタウンでも床屋の写真を撮り、それを絵にしたのがこちらです。

    ついでに。NYはブルックリンの床屋さんの写真もご紹介します。
    「いい感じのバーバーショップ!」と外からぱぱっと数枚写真を撮ったところ、お店の人が表に出てきたので「うわっ、おこられる!」と思いきや、「どこから来たの?うちの店、いいでしょ?中に入ってもっと写真撮ってよ」とフレンドリーに言ってくださった。

    えー、いいんですかー?とお邪魔して、何枚か撮らせてもらいました。まだカメラはフィルムの時代でした。

    こちらがお店のオーナーさん。たしか、けっこうな高齢でしたが自慢げに「オレ、もう⚪︎⚪︎歳だけど、まだまだ!」みたいな感じで、頼んでもいないのにポーズを取ってくれました。思い出すとホノボノします。

    この床屋さんの写真から、仕事の絵に生かしたのがこちら(JR eastの広報誌のイラストです)。壁のグリーンと扇風機はベトナムの写真を参考に。NYからどこか暖かい異国(中南米かな)のイメージに変えました。

    そのベトナムでも、やはり目に入ったら写真を撮らずにはいられず。

    手元には他にも床屋の写真があります。これだけあるんだから、「床屋絵」もシリーズ化できそうです。描きたいものはたくさん。焦らずに描いていきます。

  • 《オリジナル作品アーカイブ #5》”チャイナタウン”

    先週に引き続き、「紹介しそびれた作品シリーズ」です。今回の1枚は、2005年の個展「Windward」のために描いた作品、「チャイナタウン」です。この個展も全くの新作は2枚くらいでした。その1枚がこちらです。

    ハワイのチャイナタウンで撮った写真がもとになっています。どこの国、地域でもチャイナタウンは素通りできない場所なんですが、ホノルルのチャイナタウンは最高に好きでした。
    ローカルなハワイの雰囲気と相まって、時間がまったりと過ぎていく感覚。開け放した店のドアからラテン音楽が聞こえてきたりして、まるで映画「欲望の翼」の中に入ってしまったような?

    …もっとも、これは私が最初にハワイを訪れた、もう30年近く前の印象。チャイナタウンも様変わりしてしまったのかな?とも思います。

    8号サイズのキャンバスにアクリルガッシュで描いています。個展の準備期間は2週間だったので、早朝に集中して描いていました。撮った写真には、人は入っていなかったのですが、プラスしました。イメージ通りの後ろ姿の写真を探すのにちょっと苦労した覚えがあります(手持ちの海外の写真集のポーズを参考にしました)。

    当時撮ったチャイナタウンの写真です。まだフィルムでした。だいぶ退色してますね。
    背の低い、古い建物が並ぶストリートが独特な雰囲気でした。

  • 《オリジナル作品アーカイブ #4》”lazy afternoon”

    2004年、恵比寿の「Good Honest Grub」というカフェで小さな個展をしました。この時はタブローの新作は2点くらいで、そのなかの1点がDMにした絵でした。
    全作描き下ろしじゃない展覧会での新作って、私はつい紹介し忘れてしまう…ので、今回はこちらの絵をピックアップしました。

    絵にしたアパートは、ハワイのアラモアナの外れで撮った写真がもとになってます。アラモアナって「巨大ショッピングセンターがあるとこ」ってイメージだけど、そこを少し離れると夕陽がきれいに見える公園があったり、郊外ぽい雰囲気が漂っていました。そういう「ふつう」の町中の、簡素なこじんまりしたアパートの佇まいが好きです。アメリカ映画やドラマでもこんな感じの建物(コの字型だったり中庭があったりもする)はよく登場しますが、ちょっとヤバい人が住んでいることも多いですね。

    だから、というわけじゃないけど、ここに描いた人物は映画「ジャッキー・ブラウン」のブリジット・フォンダを思い浮かべながら描きました。ハワイの写真には、人物は写ってなかったのですが、プラスしました。

    8号サイズのキャンバスにアクリルガッシュで描いています。
    展示は6月だったので、夏に向かうワクワクした気持ちで描いたように記憶しています。

    まぁ、夏だからって、私には特別なイベントがあるわけでもないし、海にも山にも行かないけど…そして昨今の酷暑を通り過ぎた命に関わるあの暑さ。現実ではうんざりしてしまう季節かもしれないけど、それでもやっぱりイメージの「夏」は永遠に輝いているように思います。そして、それを追いかける気持ちはこの先も消えない気がするのです。

    夕暮れどきのアラモアナ・ビーチパーク。
    滞在中、いちばんきれいな夕陽が見れたのがここでした。